CPUファンを修理するという大義名分で遊ぼう

自作したPCを静穏化しようと、ちょっと一部の人たちの間で話題になっているCPUクーラー「陸奥」を買ってみました。3680円也。 (冷戦シリーズ

簡単に特徴をいうと、板バネの引っかける部分が3点で支持する形なので、リテールクーラーより安定していて、万が一爪が折れてしまっていてもつけることが可能。 また、取り付けも簡単に手でできるようになっていて、可動式の爪で取手もついている。 リテールクーラーの様にマイナスドライバーで、渾身の力を込めて・・・などという危険なまねをせずにすみます。

忘れてはならないのがでかいこと、背も高い、ファンもでかいのです。(高さ約8.5cm、8cmファン搭載)
ファンは直径が大きいほど、厚みがあるほど、同じ回転速度での送風量が大きくなります。 ですから、同じ送風量を得るために必要な回転速度は小さくてすみます。 また、回転速度を落とすと、騒音の周波数も低くなるので、耳につきにくい音になります。
というわけで、冷却能力をある程度保ちつつ、静音化するには、でかくて回転速度の小さいファンつけるのが常套手段です。
ですが、SocketAやSocket370はソケットの爪に板バネを引っかけて圧着するため、ヒートシンクを大きくするのは難しい。 そこで各社様々な工夫を凝らして、大きなファンを取り付けたタイプのクーラーを出していますが、 この「陸奥」は直径8cmの風を6cmに狭めるアダプタをつけることで8cmという大きなファンをつけています。 ファンの厚みも約2.5cmとでかい。(リテールファンは直径6cm厚み8mm)
そのおかげで、ファンの回転速度はわずか2000rpmで騒音レベルは20dBとかなり静か。 (私が実際の値を測った訳ではないが、確かにリテールファンに比べて遙かに静かでした)

しかし、静音化に特化したためか、 冷却能力はリテールファンよりもやや劣っているようです。(とはいえオーバークロックでもしない限りは、全く問題ないレベル) 静音化という意味では非常にいい感じのクーラーでした。

【参考までにスペック】
本体サイズ:80x61x40mm ファンサイズ:80x80x25mm 重量:294g スピード:2000rpm
エアーフロー:24.7cfm ノイズレベル:20dBA
パッケージに記載されている通りだが、本体サイズが明らかに変、本体=ヒートシンクにしても80x61x40mmじゃなくて76x61x40mmだし

いきなり死亡

さて、なぜ過去形なのかというと、壊れちゃったんです。
ふつうに使ってただけなんですが、取り付けてから1ヶ月ほどたったあたりから、ケースの中から妙な振動音が聞こえるようになりました。 はじめは、さして気にならなかったのですが、日を追うごとに音が大きくなっていくので、音の出所を調べてみると、「陸奥」でした。
どうやら、ファンの軸にダメージがあったらしく、ファンが回転すると振動するようになっていました。
おそらく初期不良の範囲のものである可能性が高いのですが、ショップの保証は1週間以内、メーカーも1ヶ月以内、 これで、「初期不良だ」って持っていったら、ただのクレーマーです。
またもや、新しいクーラーを買ってきてつけたのですが、「陸奥」・・・このまま捨てるのは惜しい。 何とか修理できないだろうか・・・

以下に出てくる作業を行うとメーカーもショップも保証してくれませんし、 作業そのものに意味があるのかどうかさえ分かりません。 これは、もうぶっ壊してもかまわないから遊んでみようという前提での作業です。 まねをするのは勝手ですが私は責任は持てません、くれぐれも自己責任でお願いします。

修復・・・ひたすら馬鹿なこと

当然というか何というか、ヒートシンク自体に問題はない、ファンが交換できればいいのだ。
ところが、このファンを取り外してみたところ、ちょっと特殊な形状をしていることが分かった。
上から見ると、ふつうの8cm×8cmファンの様だが、横から見ると、上半分1.5cmが8cm×8cmの形状で、下半分が8cmの円形をしている。 つまり、ファンの半分がダクトの内部に埋まる形になっているのだ。
このため、ファンの厚みは2.5cmほどあるが、2cmのビスで取り付けられている。
当然こんな形状のファンは一般に手に入らない、 では薄型のファンを取り付けるか? 実はそんなことをしなくても、一般の厚みのあるファンはビス取り付け部が、上下で分離しているので、 図のように一方の穴からドライバーを通して内側からビスを取り付けることが可能です。 (ビス取り付け穴より径が小さく、ビスの山をつぶさない大きさのドライバーが必要だが、手持ちのドライバの大きさがちょうど良かった。)

で、交換用ファンは右のものをかってきました。
パッケージのステルス戦闘機がイカすPCケースファン、スペックは音圧レベル21dBA・回転数2050rpm±10%・風量27CFM、 パッケージのスペックを全面的に信じるなら(パッケージのスペックって結構いい加減なのが多いから) 「陸奥」よりわずかにうるさいが、送風能力は上といった代物。1680円也

では、これを取り付けて終わり・・・じゃつまらない(笑)。
ヒートシンクの裏、つまりCPUと接触する部分を見ると、結構荒い加工です。
指紋のように見えますが、削りだしの工具の削り後が見えています。
どうも意図的なもののようにも見えるのですが、 こいつを研磨して凹凸をなくしてやったら熱伝導率が良くなるのではないかということで、研磨してみます。
凹凸を吸収するためにシリコングリスを塗ったりするのですが、直接ヒートシンクとCPUが接触している方が当然熱伝導率はいいので。 (一般に素人がこういうことをすると状況は悪化します、 下手をすると著しく平面性を失い、熱伝導率が悪くなってCPUを焼損してしまう可能性もあります。 くどいですが、くれぐれも自己責任で (これを書いているときはまさかあんなことになるなんて思っても見てませんでしたが・・・))

さて、研磨はまず耐水ペーパーでやってみます。ホームセンターで一枚100円也。
段階的に研磨するため、3枚程度用意します。私が用意したのは粒度180番、320番、800番です。 (使ってみた感じだと、もう一段くらいきめの細かい1000番以上のものがあった方が良かったかなと思う。)
これをテーブルなど、比較的平面で、堅い台の上で耐水ペーパーを広げ、 その上でヒートシンクをまっすぐ押し当て、前後に動かして、削っていきます。

まず、荒削りでは、あらかじめある表面が全体的に磨き落とされるようになるまでがんばります。 今回は中央がややへこんでいるのか、私の磨き方が悪いのか分かりませんが、 はじめは周囲しか磨かれなかったため、荒削りにすごく時間がかかりました。

次に、荒削りの目が粗かったので、これを取り除けるまで中目のペーパーで磨きます。 研磨する方向を変えて、表面に見える研磨傷が今の方向のものしか見えなくなるまで、 とするとわかりやすくていいかもしれません。

次は、仕上げ削り、ここではそれほど力を入れずにゆっくりと磨き上げます。 このレベルにくると、研磨している面が、耐水ペーパーに張り付いてしまうような感触が出てきます。 これは、うまくいっている証拠と考えていいのでしょうか?

最後に仕上げ、金属研磨剤のピカールを使います。
この液体をぼろ切れなどにつけて磨くと、鏡のように光沢が出てきます。
見よ!この輝き!
研磨が完了した底面です。
本当に鏡のようになりました。
撮影しているデジカメがはっきり写ってます。

そして、先に紹介した8cm角ケースファンをビスで止めて完成です。
さて、成果のほどはいかに??

極めつけの馬鹿

さて、取り付けてからWindows上で動くGIGABYTEのユーティリティーで計測・・・
あれ?起動中にエラー?
何回かやってみても、やっぱりエラー、ちょっと間をおいて起動成功。
さて、計測・・・アプリケーションを起動しようとすると固まる・・・
おのれ、もう一度!!
ってやっと計測可能に・・・なに!?71℃!!
いくら何でも高すぎる、稼働温度の上限が95℃だとしても危険な領域だ。
ヒートシンクを取り外してみる。 グリスの量が多すぎたのかな?と勝手に勘違い、ちょっと拭いてから再起動・・・すると・・・

「プスッ」(ぷす?)
「パチッ」(まっ、まずい!!)

あわてて、電源を切ったもののCPUが焦げてました・・・・

もう、何もいうことを聞いてくれなくなりました。
CPUはパソコンの脳、つまり脳死状態!!
あぁぁ~~~やっちまったよ、なんて馬鹿なんだ俺は・・・・

しばらくして・・・、まあやってしまったものは仕方がない、原因を究明しよう・・・
よく考えてみると、グリスの量が多すぎたのかと考えたのはCPUの接触面に今までよりたくさんグリスがついていたからだが、 普通、ヒートシンクを圧着してしまうと、CPUの接触面のグリスは押しのけられるため、ほとんどついていない状態になってないとおかしい。 ということは、ヒートシンクとCPUが接触していなかったかもしれない。 確認のため、もう一度CPUとヒートシンクをつけてみると、グリスが押しのけられている。
そのとき気がついた、このヒートシンクは取り付けがやりやすいように、取り付け具に余裕があるため、 ヒートシンクをずらしてつけることができる。 ソケットのCPU横にやや、CPUより高くなっている部分がある、 どうやらヒートシンクがここに乗り上げた状態で取り付けてしまったようだ。(今まで気がつかなかった・・・)
十分に反省したあと、同じモデルナンバーのCPU、AthlonXP1800+を買ってきました。11680円也。
懲りずに取り付け、ヒートシンクは何度も確認しつつ、慎重に取り付け、
そして、電源ON、動いた!!エラーもでていない。 マザーにダメージがあるかもと思っていたが、大丈夫なようだ。

騒音もほとんどなく順調だ
で肝心の温度はというと、superπを起動して高い負荷を長時間かけ続けて、59℃、その後しばらくすると54℃、 「陸奥」ノーマル状態で平常時63℃、高負荷時66℃っていうところだった。
一応今回の作業は全く無意味ではなかったが・・・高くついたな・・・



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